「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます」
(泣いた赤おに/浜田 廣介 ) 泣いた赤鬼 - Wikipediaより引用
「泣いた赤おに」の最初、赤おにが友だちほしさに家の前に立てた、立て札に書いてある文。
愛読書というわけでもないのに、なぜかそれが急に思い浮かびました。
立て札を立てても誰もきてくれなくて、赤おには悔しくて怒り、悲嘆にくれ…
そこで青鬼が登場して、本編が始まるわけなんですが。
私は冒頭部分だけで、赤おにより先に泣いている。なんでや。
文字通り、「鬼の目にも涙」
毎日、子どもの宿題を見ながら怒鳴り散らしているときは、まさに鬼の形相の私。
「何泣いてんのよ。疲れてるの?歳だから?」
私が私の娘だったら、あきれて軽口をたたいているかもしれない。
そりゃもう、疲れていますとも。子どもが生まれてこのかた、疲れていないときはまるっきりない。
確かに、歳とともに涙腺も弱くなったよ。
そうでなくても、世界が激変したこの数カ月だもの。本当に疲れ果てた。
このことを語りだしたら、5時間くらいぶっ続けで話す自信があるから、今はやめます
でもね、それだけではなくてね。
考えてみたら、いろんなことにつながっていた。
そうです、私が赤おにです
今は昔。
小学生から中学生くらいにかけて、学校の友達とうまくいかないことが多くて、とてもつらかった。
仲良くしたいのに、嫌われたくないのに、何がいけないのかわからなくて、悩みまくったなあ…
自己肯定感はどん底で、そのくせプライドは高くて、自意識過剰。
今ならわかる。そういうところがね。
当時も、わかってはいたかもしれない。
でも、じゃあどうすればいいのか、わからなかった。
人間に嫌われていたけれど、人間と仲良くなりたかった赤おに。
さみしくて、つらかったよね。
でも、勇気を出して、自分の心をオーブンにしたんだよね。
その気持ちがかわいそうで、いじらしくて、背中をさすってあげたくなる。
インナーチャイルド(内なる子ども)というのかな。
子どものころの、自分自身の悲しい記憶。
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大人になるほど、楽しくラクになった
考えて考えて、試行錯誤しながら大人になる過程で、幸いその悩みは減っていった。
とても楽しい時間もたくさん過ごせた。
今も、数は少ないけれど、大切な友人がいる。
出産後数年は、高齢であることを引け目に感じ、自分を守るべく内向的だった。
(そもそも、外に出ていく体力の余裕もなかった)
けれど、距離感に気をつけつつ心を開いていったら、とてもやさしくてあたたかい世界があった。
もちろん、ストレスもあるけれど、良い意味で鈍感にたくましくなっていったのだ。
リアルとネットのバランス
突然、ソーシャルディスタンスがどうのこうの言われる世の中になり、人付き合いの間合いの取り方も、これまでのようにはいかなくなってしまった。
定期的に会っていた人たちと、集まる予定がなかなか立てられない。
子どもが進級して、同じクラスの子のお母さんと連絡先を交換したくても、そのチャンスが得られない。今は個人情報保護のため、連絡網なんてないものね。
元々、1人の時間は大好きで欠かせないし、気楽だ。
友だちや知り合いを無理に作らなくても、生きてはいける。
でも、「さみしい」と思う気持ちも確かにある。
そんな中、必要に迫られて、LINEでのミーティング、飲み会、zoomでのセミナーやワークショップなど、オンラインで立て続けに体験した。
さすがにリアルとは違う。でも、この手段がないよりはずっといい。
リアルとネットの境目は、今後ますます曖昧になっていくのだろう。
ここにいるよ。
私の結婚生活は、パソコンをネットにつなげることと、ほぼ同時にスタートした。
以来20年以上、ネットとともに歩んできた。
今や、立派なインターネット老人会会員である。
ネットから、ありとあらゆる情報を得たのはもちろん、どれだけの縁やチャンスにつながったことか。
リアルな交流もたくさんあったし、つらいとき、孤独なとき、ネット上の誰かの存在に助けられてきた。
たとえ知り合いではなくても、はっとするような言葉に救われたり、毎日更新されるブログやSNSにホッとしたり。
私もそろそろ、受け取るばかりではなく、少しでも恩返しがしたいな。
恩を直接返せなくても、どこかの誰かに、受けた恩を送りたい。
赤おにのように、思い切って、場所を作ってみたい。
実は、このブログの紹介文は、赤おにの立て札をアレンジしようかと思いました。
でも、いきなりそれでは、ふざけているように受け取られるかもしれないので、ここにこっそり記しておきます。
「明るくおおらかにふるまいつつ、ほんとはちょっとメンタル弱めな主婦のブログです。どなたでもおいでください。楽しい話題がございます。お茶も沸かしてございます…」